2013年7月15日月曜日

釜糸を美しく保管する方法

日本刺繍で使う絹糸の刺繍糸は「釜糸 カマイト」と呼ばれます。
「釜糸」は繭から引いた絹糸に縒りをかけず、平糸のままの状態の絹糸です。
釜糸は日本刺繍の一番大事な材料ですが、釜糸を美しいまま保管する方法が、意外に知られていないかもしれしれません。今日はを釜糸の保管方法をご紹介します。

刺繍で使う時は必ず「紙管」に巻かれた状態の刺繍糸を使います。
日本刺繍教室の生徒さんには、釜糸を保管するときに次の三つのポイントに注意するように話します。

★ポイント1★ 紙箱で保管する
まず、第一に釜糸は必ず紙箱で保管しましょう。

プラスチックの箱は静電気で埃を引き寄せて、釜糸が汚くなりますので、教室の生徒さんにはプラスチックの箱は使わないようにしてもらっています。
プラスチックの箱は100円ショップでも買えますし、中身が見えて丈夫ではあるのですが、せっかくの絹糸が汚くなってしまっては、絹糸を綺麗に保管するという目的を果たしていません。


★ポイント2★二段三段に重ねない
釜糸を紙箱に入れる際は、重ねずに一段だけ入れるようにします。
ですから1段の釜糸だけが入る薄い紙箱を使用しましょう。

釜糸を高さのある箱の中で23段に重ねていると、使おうとする釜糸を探すときに、どうしても箱の中で紙管を転がしてしまいます。釜糸を転がすと、釜糸がこすれ合ってしまい汚くなってしまいます。

生徒さんには、このような紙箱があったら使ってくださいと、見本の紙箱を紹介しました。しかし、「お菓子の箱は、中身は欲しくないのに、箱だけの為に買うのもお金がかかります。」という声がありましたので、私の使っている紙箱を生徒さんにご紹介することにしました。

色は白なので釜糸の色もよく分かります。釜糸を色別に保管することはもちろん、作品ごとに保管できるので、とても便利です。

白い薄い紙箱に保管した例

市販商品の紙箱を使用して保管した例

★ポイント3★ビニールやセロファン紙で包まない
釜糸は、ビニールやセロファン紙で包んではいけません。

ビニールやセロファンを巻くと絹糸が通気性が無くなり、カビがはえることがあります。
釜糸は、素材が絹であることは、着物や帯と同じです。しばらく着ないからといって、着物や帯をビニールやセロファン紙で包みませんし、プラスチックの箱には保管しません。

高温多湿の日本では、着物や帯は通気性があって湿度を保てる桐の箪笥にしまいます。
釜糸も同様に扱わなければなりません。もしも釜糸を入れた紙箱を桐の箪笥にしまえる余裕があれば、それが最適です。



京都の伝統工芸士の方で、紙管を保管する際に紙管に巻いた絹糸が、箱に触れない状態で保管するように特別な箱を作って丁寧に保管していらっしゃる方もおられます。
絹糸というデリケートな素材は、正しく保管して長く綺麗なまま使えるようにしましょう。