2013年8月31日土曜日

年に一度の訪問

見てください、このカマキリ !! 

写真のカマキリの3Dパズルに使われている紙は、一見するとプラスチック板に見えます。製図に使うテンプレートにそっくりです。でも、「ペーパーパズル」と商品名についているので、「やっぱり紙?」と見なおします。厚さが均一で、固く、机の上で叩くとしっかりした音が響きます。

この紙を、カッターでそれぞれの部品を丁寧に切り離して組み立てると、実物大の「カマキリ」が完成します。精巧なフィギュアのようです。この紙そのものも、出来上がった「カマキリ」も感動してしまいます。

我が家には年に一度のカマキリの訪問があります。年に一度立秋をすぎると何故か本物の「カマキリ」が我が家の玄関に一度だけ現れるのです。これもちょっと不思議なのですが、懐かしさもあって、この3Dペーパーパズルの「カマキリ」を組み立てたくなり、東急ハンズで購入しました。出来上がった「カマキリ」は玄関に飾ってあります。

2013年8月24日土曜日

薄くきらめく羽衣「フェアリー・フェザー」

  以前ブログで「合成クモ糸で織った生地で作られたドレス」のことをご紹介しましたが、今回は「羽衣のような絹地」の話しです。

 日本にはさまざまな絹織物があります。呉服産業や養蚕業の先細りが言われていますが、それでも日本刺繍にたずさわっていると、素晴らしい絹地に出会います。もちろん全てが日本刺繍に適しているわけではありませんが、絹地それ自体の美しさに変わりはありません。
福島県川俣町は江戸時代から養蚕と織物で有名な土地です。蚕は卵の時期にはある程度の湿度が必要ですが、育てるには風通しの良い土地が適しているので、山間部の盆地で町の中心部を広瀬川が流れる川俣町は、養蚕業の適地だったのでしょう。

 その川俣町で近年作られている絹織物が「フェアリー・フェザー」と呼ばれる、透明感の素晴らしい世界一薄い羽衣のような絹地です。「フェアリー・フェザー」の糸の太さは、髪の毛の1/6です。通常は1/2の太さですからかなり細い糸です。そしてさらに、その糸を「よりをかけない生の糸」の状態のままで織っていきます。しかし、その細さでは糸がとても切れやすいので、それを防ぐために糸を濡らして、糸が濡れたままの状態で織り機にかけます。織り機にかけてからも、織り上がるまでの全ての工程に、職人の技が加えられていきます。
 織り機が動くたびに、水滴が飛び散る様子は、ちょっと不思議な光景です。しかし、織りあがると「よりをかけない生の糸」は柔らかく、光沢と透明感のある絹地になります。世界のデザイナーが注目する日本製の「フェアリー・フェザー」が、現代の「天女の羽衣」になって欲しいと思います。

2013年8月13日火曜日

平安の極楽浄土 - 平等院鳳凰堂の復元後の姿は?

 京都府宇治市の世界遺産、平等院鳳凰堂(国宝)は昨年から修理が始まり、来年3月に終了、4月に公開予定になっています。修理で鳳凰堂は平安時代の色調で復元されます。柱全体は赤で、屋根瓦は黒で仕上げられて、屋根の上の鳳凰像には金箔が施されます。

 以前、平等院を訪ねたときに、ミュージアムショップで「CG写真集  平安色彩美への旅  よみがえる鳳凰堂の美」という本を購入しました。残念ながら一般には販売されておらず平等院のミュージアムショッブでしか買えない本なのですが、CGで復元され、鮮やかな色彩で彩られた御堂は、まさに極楽浄土の世界を思わせました。昔の人は、この建物の中に入って荘厳な美しさに打たれたのでしょう。

また、「雲中供養菩薩」の復元にあたっては、キリカネを以前このブログでご紹介した江里佐代子氏がキリカネ部分を担当しています。(以前の紹介記事はこちら→「截金を現代アートに甦らせた江里佐代子氏」)

以下の写真は「CG写真集  平安色彩美への旅  よみがえる鳳凰堂の美」からの一部引用です。
このCG制作は、NHKきんきメディアプラン、㈱さわの道元・鈴木志子氏が担当されたそうです。

天井をCGで復元した図

天井の修復前の写真

柱をCGで復元した図

柱の復元前の写真

復元された雲中供養菩薩












































 テジタル復元の技術も色彩の分析調査も年々進歩し続けています。退色してしまった絵画が、本来持っていた色彩を取り戻すとき、その美しさに圧倒されます。
  「日本の国宝、最初はこんな色だった」小林泰三著  光文社新書 (紀伊國屋の本の案内)(Amazonの本の案内)は、デジタル復元の楽しさや美しさを知る第一歩になる本であると思います。
小林氏はWowowで不定期に放送される「美術のゲノム」という番組でも美術品をCGで蘇えった様子を見せてくれています。



2013年8月11日日曜日

アクアマリンふくしま

 「アクアマリン ふくしま」は、福島県いわき市小名浜にある水族館です。東日本震災の被害を受けましたが、復旧工事が続けられ2011年7月15日に再オープンしました。
 この水族館には、金魚の展示があります。水族館ではめずらしいのではないでしょうか。

8月14日、15日にはアクアマリンふくしまで誕生した金魚の即売会もありますし、夕方からは金魚すくいも楽しめます。水族館は好きでいきますが、このアクアマリンふくしまも好きな水族館のひとつです。
また、開館当初からシーラカンスの調査「グリーンアイプロジェクト」も行っていて、「シーラカンスの世界」という常設展示もおもしろいです。写真はショップで購入したシーラカンスのガラス細工です。


大和郡山市箱本館・紺屋

 しのざき文化プラザで開催中の「金魚のアートガーデン」に協力しているお店のひとつに、「紺屋」があります。
「紺屋」は、奈良県大和郡山市紺屋町にある金魚グッズ・ミュージアムです。金魚があしらわれた美術工芸品から生活雑貨までバラエティに富んだ展覧会を見ることができます。
 金魚好きの私も行きました。

 奈良県大和郡山市は日本の金魚のふるさとです。中国から入ってきた金魚が、日本で養殖が始まったのが奈良県大和郡山市です。
 「全国金魚すくい選手権大会」も毎年夏に大和郡山で開催されますし、「大和郡山・金魚検定」もあります。金魚といえば、涼しい模様と組み合わせることが多いですが、江戸時代にはひな祭りの時、ひな壇に金魚も一緒に飾られていました。そんなデザインもこれから制作していきたいと思います。

金魚のアートガーデン

「しのざき文化プラザ 3F ギャラリー」で、10月14日(月)まで「金魚のアートガーデン」が開催中です。

都営新宿線「篠崎駅」直結なので、手軽に金魚を楽しめます。

 東京の金魚養殖地は、江戸時代には本所深川にありましたが、亀戸、大島、砂町へと町が近代化されるにしたがって移り、第二次大戦後は江戸川区が中心となりました。
昨今、江戸川区も都市化により他県へ移転しつつありますが、日本鑑賞魚フェアでも優秀な成績をあげて、伝統は今も息づいています。

 大きな展覧会ではありませんが、LEDの涼しい光で泳ぐ金魚は、やはり夏の代名詞です。
金魚すくいのイベントもあってのんびり楽しめます。

「金魚のアートガーデン」の案内はこちら

金魚のアートガーデン・ホームページより

金魚!、金魚!、金魚!

アートアクアリウム 2013  ~江戸・金魚の涼~

木村英智氏プロデュースの「アートアクアリウム」が今年の夏も開催中です。
六本木ヒルズでは「スカイアクアリウム」として、水中アートの展覧会が開催されましたが、今回の「アートアクアリウム」は昨夏と同じ「日本橋三井ホール」で開催されます。

アートアクアリウム2013・ホームページより


「金魚」をメインに、様々にデザインされた水槽に光と映像の最新演出技術が融合した「水中アート」の展覧会です。今、横浜や長崎ハウステンボスでも話題の「プロジェクションマッピング」も使われて、美しさと驚きの連続です。

私が「金魚」と「水」が大好きなので、毎年楽しみにしている展覧会です。しかし、混雑するので入場状況を確認されてからお出かけになる方が良いです。
19時からは「ナイト・アクアリウム」になります。音楽と照明が代わり、お酒のドリンクを片手に鑑賞を楽しめる空間になります。

「アートアクアリウム2013」のワームページはこちら

透明な美しい和紙、そして「水うちわ」

 「うちわ」文様は、形のおもしろさから日本刺繍でもよく使いますが、四季の模様と合わせると、さらに楽しく美しい文様になります。
 私の日本刺繍教室のカリキュラム作品でも「ちどり青海波」、「金魚とうず巻き文」「ほたると露草」等をうちわにデザインしていますが、どれも仕上がるとかわいい刺繍作品になります。
刺繍作品集はこちら  


 日本には多くの種類のうちわがありますが、その中でも「水うちわ」はうちわに使われている和紙がすばらしいです。和紙といえば楮 (コウゾ)を原料とする和紙が一般的です。コウゾは、日本全国に分布していて、栽培も簡単でさらに収穫量も多く、繊維もとりだしやすいという和紙原料に最適な植物だからです。

 しかし、「水うちわ」に使われている和紙は雁皮紙 (カ゜ンピシ)という和紙です。
雁皮紙は、写真のように「フィルム?」と思うほど向こう側が透けて見える透明感がありながら、虫がつきにくく丈夫です。
 すばらしい和紙ですが、紙をすくのに他の原料の3~4倍の時間と手間がかかり、高度な技術が必要です。さらに原料のガンピはやせ地に生息する植物で、畑などでの栽培に適さないため、野生の原料しか使えません。
 写真の水うちわは、美濃の手すき和紙工房「コルソヤード」の職人さんが作った「雁皮紙」を使っています。
 「水うちわ」は、日本の名工が作り出す普段使いの美しさです。
 (コルソヤードの案内はこちら)