2014年11月30日日曜日

自分で選ぶ糸の色から、かけがえのない作品が育ちます

新しい日本刺繍作品を作る時に、糸の色選びをするのは生徒さんにとって難しくも楽しい作業です。
刺繍の技法は「ここは、こういう技法で縫いましょう」と、私がお伝えすることが多いですが、色に関しては、私が色を提案するのではなく、必ず生徒さんに選んでもらいます。

とはいっても、最初はなかなか自分で色を決められません。そういう時は、生徒さんに白黒の図案を見てもらって、生徒さんが思う色や好きな色をまずお聞きします。

たとえば「松竹梅」を刺繍する時に、「梅の花」と聞いたらどんな色の梅の花を想像しますか?
真っ赤な梅?  夜に浮かぶ真っ白な梅?  かんざしになるような可愛いピンクの梅?
本当に人それぞれです。そこから、色選びが始まります。

その色に合わせて竹や松の色を話し合いながら決めていきます。
真っ赤な梅を選んだら、それに負けない強い松の色になります。
ピンクの梅を選んだら、コントラストの強い色を選んでしまうと調和がとれなくなってしまうので、抑えた色の松になります。

既成概念に囚われた色が嫌だと思われる方もいます。
赤とピンクの濃淡だけでまとめたいという方もいます。青磁の陶器の図柄のように青だけでまとめたいという方もいます。それは専門的なカラーコーディネートが必要なので、話し合いをしつつアドバイスをしながらまとめていきます。

これが色選びの難しさでもありますし、楽しさでもあります。

悩みながら考えて色を選んだ作品は、個性が出ますし、本人にとって思い入れが溢れた作品は、かけがいのない作品になります。

松竹梅の作品例写真


松竹梅の図案(着色をしたもの)
 

アメリカの方が一日刺繍体験教室参加されて

先日アメリカから来日された方が一日体験教室に参加されました。

フランス刺繍やキルト刺繍をされている方で、以前来日された時に日本刺繍をご覧になり、非常に興味を持たれたそうです。
今回来日されて、日本刺繍を学んでみたいという事で一日体験教室にご参加頂きました。

ご友人の日本人の方も一緒に刺繍しながら英語の通訳をして頂きました。

刺繍の作業は片言の英語で一応は説明をしたり絵を描いたりして何とか通じるのですけれど、
説明しきれない蚕の糸の取り方なのど難しい内容は通訳の方に説明して頂きました。

糸を縒って自分で糸を作ることや、両手で刺すという事に驚いていらっしゃいました。それは日本人でもどこの国にの方にとっても、驚かれる日本刺繍独特な作り方ですね。

でも、一度糸ができるとフランス刺繍と技法は似ているところも多いです。
例えば、 さがら縫いはフランス刺繍では「フレンチナッツ」にあたります。

金糸は糸に通して縫うわけではなく、金糸駒取りで布の表の金糸を留めるので、この技術が独特で面白いと言われていました。

非常に有意義だったと言って頂いて良かったです。